旗竿地は「売れない」は誤解!スムーズに売る方法と注意点をプロが解説

「売れない土地」と思われがちな旗竿地ですが、実際には、条件を整えれば売却できます。売れにくいと言われる理由を理解し、適切な対策を講じることで、より良い条件で売却することも可能です。
本記事では、旗竿地が売れにくい理由や売却方法、価格の算出方法を解説。旗竿地の売却時に押さえておきたい注意点も紹介します。

この記事の監修者:
吉岡良太
株式会社Break 代表取締役
不動産賃貸で法人化し2024年初から民泊経営を本格スタート。最初の2戸とも初月売100万超。
2025年3月時点で自社所有の民泊を6室、管理物件を6室運営しています。
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「旗竿地は売れない」は思い込み

よく言われる「旗竿地は売れない」という考えは、実は思い込みに過ぎません。実際には、接道条件が適切で建築基準を満たしていれば、十分に売却可能です。日当たりや通路幅の制約はありますが、適切な対策で解消できます。
旗竿地はセットバックを行ったり、所有権の問題を解決することで、購入希望者の需要に応えられるケースが少なくありません。土地の形や条件によっては売却しにくいこともありますが、多くの場合、適切な販売戦略を立てることで、買い手が見つかるケースが多くあります。
旗竿地が売れないと言われる8つの理由

一般的に旗竿地が売れないと言われるのは、以下の理由からです。
- 再建築不可になるケースがある
- 接道が狭く駐車や出入りがしづらい
- 接道が私道の場合がある
- 日当たりや風通しが悪くなりやすい
- 解体・建築コストが高くなりやすい
- 住宅ローン審査に通りにくい
- 利用できる面積が少ない
- 隣人トラブルが発生する可能性がある
それぞれの内容について、詳しく解説します。
再建築不可になるケースがある
建築基準法では、建物を建てる土地は幅4メートル以上の道路に2メートル以上接していなければなりません。これを「接道義務」と呼びます。もしこの条件を満たさない場合、その土地は「再建築不可」となり、新しい建物を建てることができなくなります。
さらに、接している道が私有地で正式な道路と認められていなかったり、農業用の通路だった場合も同じ問題が起こります。再建築できない土地は活用の幅が限られ、資産価値も大きく下がってしまうのです。
再建築不可物件について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
>>名古屋で再建築不可物件はすぐ売れる!放置するリスクや買取に強い業者を紹介
接道が狭く駐車や出入りがしづらい
旗竿地が売れにくい理由のひとつに、出入り口部分の細さがあります。狭い通路では車の出入りや駐車が困難で、日常生活に不便をもたらします。また、救急車など大型車両が入れないケースもあり、安全面での懸念から購入を避ける方も少なくありません。
さらに荷物や建材の搬入も制限されるため、引っ越しや建築時にコストが増加する傾向があります。こうした実用性の低さが、多くの買い手にとって大きなデメリットとなっているのです。
接道が私道の場合がある
出入り口が私道に接していると、旗竿地の売却が難しくなる大きな理由のひとつです。特に隣地所有者の私道を通らなければならない場合は、将来的な利用トラブルのリスクが高まります。
さらに、私道部分も所有地と見なされるため固定資産税が課税される点も理由に挙げられます。実際には自由に使えない土地であっても、税金の負担だけは続くことになるのです。
解体・建築コストが高くなりやすい
旗竿地が敬遠される要因には、解体や新築にかかる費用が高額になりやすい点も挙げられます。細い進入路では大型機械が使えず、小さな機器や人力での作業が必要となるため、解体作業の効率が下がって費用が膨らむのです。
また建築材料の運搬も手間がかかり、隣地を一時的に借りる場合は追加料金も発生します。
さらに、土地の形状に合わせた特殊な設計が求められることも多く、通常の住宅よりも建設費が高くなりがちです。
日当たりや風通しが悪くなりやすい
周囲を他の建物に囲まれることによる日照不足の問題も、買い手が見つかりにくい要因として挙げられるでしょう。特に低層部は太陽光が届きにくく、湿気がこもりやすいため、結露やカビの発生リスクが高まります。
また、四方を遮られることで空気の流れも滞りがちです。夏場は室内に熱がこもりやすく、快適な住環境を維持するのが難しくなります。
住宅ローン審査に通りにくい
金融機関の住宅ローン審査で敬遠されやすいのも、旗竿地のデメリットといえます。細い入口や道路との接点が少ない特性から、金融機関はこうした土地を担保として低く評価する傾向があります。特に、再建築不可物件の場合は、融資そのものを断られるケースも少なくありません。
現金での購入を余儀なくされると、購入希望者が少なくなり、結果として売却機会が限られてしまいます。
利用できる面積が少ない
敷地へと続く細長い通路部分は建物を建設できず、純粋に出入りのためだけのスペースとなります。そのため、表面上の総面積と実際に住宅建築に使える面積に大きな差が生じます。
同じ価格帯の一般的な形状の土地と比べると、建物の間取りや庭の確保などの自由度が制限され、生活空間を十分に確保しづらいという不便さがあるのです。
隣人トラブルが発生する可能性がある
旗竿地は近隣住民との関係性で問題が起こりやすいことも、土地の売れにくさにつながります。細い通路部分が他の住宅と密接しているため、日常的に接触機会が増え、通行や駐車に関する摩擦が起きやすくなります。
また、敷地が近接していることでプライバシーが保ちにくく、生活音や視線などが気になりやすい環境です。さらに、土地の境界線をめぐる認識の違いから争いに発展するケースもあります。
旗竿地を売却する3つの選択肢

旗竿地を売却する方法には、主に以下の3つの選択肢があります。
- 不動産買取でスピーディーに現金化する
- 仲介売却で市場価格に近い金額を狙う
- 隣地所有者へ直接売却する
それぞれの内容を確認しましょう。
不動産買取でスピーディーに現金化する
旗竿地を売却するには、不動産会社に買取してもらい、現金化するのも選択肢のひとつです。不動産会社が直接物件を購入するため、買い手探しの手間がなく、最短数週間で契約・資金化が可能になります。
再建築不可などの制約がある物件でも、専門業者なら適正価格で買取してくれます。仲介手数料不要で内覧対応も省けるため、手間をかけずに早く売りたい方に適した方法です。
仲介売却で市場価格に近い金額を狙う
旗竿地の価値を高めてから仲介売却に臨むことで、市場価格に近い金額での売却が期待できます。改善方法としては、以下の2つがあります。
- 接道条件を満たすためにセットバックする
- 私道の持分を購入する・通行地役権を取得する
それぞれの内容を確認します。
接道条件を満たすためにセットバックをする
セットバックで売却すると、旗竿地を良い条件で売却できる可能性があります。敷地の境界線を後退させて道路幅を広げることで、法律で定められた接道条件を満たし、将来の建て替えが可能な土地になるからです。
資産価値が高まるだけでなく、緊急車両の進入が容易になるなど安全面も向上します。
こうした対策で法的制約を解消することで、購入検討者の不安を取り除き、より市場価格に近い金額での売却が期待できます。
私道の持分を購入する・通行地役権を取得する
私道の持分や通行権を確保することも、旗竿地を高く売却するためのポイントです。私道部分の持分を購入して共有者になれば、安定した通行権を得られます。難しい場合でも、私道所有者から通行地役権を設定してもらう方法があります。
こうした権利を明確にしておくことで、将来的な通行トラブルのリスクを減らせるでしょう。購入希望者の不安も解消され、土地の価値が高まるため、市場価格に近い条件で売却しやすくなります。
隣地所有者へ直接売却する
隣地所有者へ直接交渉して土地を売る方法もあります。隣接する土地の所有者は、自身の敷地を拡張して整形地化できるメリットがあるため、一般市場より高い価格で購入してくれるケースも珍しくありません。
再建築が難しい物件でも、隣地と一体化すれば利用価値が高まり、ニーズが生まれやすくなります。
旗竿地の価格を評価する3つの算出方法

旗竿地の価格を評価するときには、主に3つの計算方法が用いられます。
①奥行部分の減価
②間口・奥行の補正
③不整形地補正
計算方法は国税庁の基準に基づいて、土地の条件に応じて適用されます。どのような方法があるのかを知っておくと、価格の決まり方を理解しやすくなるでしょう。
方法①道路からの奥行分を割り引く方法
旗竿地は竿部分(通路部分)に建物を建てられないため、該当の面積分を減価して評価します。算出式は次の通りです。
評価額 = 路線価 × 奥行価格補正率 × 面積
奥行の長さに応じた補正率は、国税庁の「財産評価基準書」であらかじめ決められています。
例えば奥行20mなら約0.90、30mなら0.85といった具合に、奥行が長くなるほど補正率は低くなり、評価額も下がる仕組みです。
方法②狭い間口と長い奥行分を割り引く方法
旗竿地は「間口が狭い」「奥行きが長い」という特徴を併せ持つことが多く、土地の評価額が下がります。算出式は次の通りです。
評価額 = 路線価 × 間口狭小補正率 × 奥行長大補正率 × 面積
間口狭小補正率は、間口が8m未満の場合に適用されます。
例えば、間口が4m未満なら0.90、6〜8m未満なら0.97といった形で補正されます。さらに奥行きが長い土地では奥行長大補正率も加わるため、整形地に比べて2〜3割ほど評価額が低くなるケースもあります。
方法③不整形地として割り引く方法
旗竿地は道路に接する「かげ地」と竿部分を含めて、不整形地として評価されることがあります。算出式は次の通りです。
評価額=路線価 × 不整形地補正率 × 面積
かげ地の割合が多いほど補正率は下がり、価格も低くなります。
例えば、地積500㎡未満の土地では、かげ地が20%以内なら補正率は0.94〜0.98程度ですが、40%を超えると0.60〜0.82まで下がります。広い土地でも、かげ地の割合が大きくなるほど評価額は大きく減少します。
つまり、旗竿地は形が複雑でかげ地部分が多いほど、整形地に比べて大幅に価格が下がる仕組みです。
旗竿地の売却をする際の注意点

旗竿地を売却する場合、以下の4つの点に注意しなければなりません。
- 解体せずに売却する
- リフォームの要否は不動産会社と相談する
- 複数業者から査定を取って比較する
- 法的手続きや必要書類を準備しておく
注意点について、詳しく解説します。
解体せずに売却する
旗竿地の売却では、建物を解体せずに「中古住宅」として販売するのが有利です。解体して更地にすると、再建築ができない土地になってしまい、価値が大幅に下落する恐れがあるからです。
建物があれば固定資産税の軽減措置が適用され、税負担も抑えられます。また、高額な解体費用を投じても売却価格に反映されにくいため、現状のまま販売して買い手自身に活用方法を検討してもらうほうが、成約につながりやすいでしょう。
リフォームの要否は不動産会社と相談する
リフォームの判断は不動産会社と相談して決めましょう。買い手は自分好みの改装を望むことが多く、売主の行ったリフォームが無駄になる可能性があります。
特に旗竿地は形状の特殊性から工事費用が通常より高くなりがちで、投資回収が難しいケースもあります。市場状況や物件の状態に応じた最適な選択をするためにも、専門家のアドバイスを受けて、ときにはリフォームせずに現状売却することも検討すべきでしょう。
複数業者から査定を取って比較する
売却時には、複数の不動産会社から査定を取得することをおすすめします。特殊な形状や接道条件を持つ旗竿地は、業者によって評価に大きな差が生じやすいためです。
一社だけの査定では適正価格が分からず、不利な条件で売却してしまう恐れがあります。
各社の査定額だけでなく、担当者の対応や販売戦略の提案内容も比較し、旗竿地の特性を正確に理解している業者を選ぶことで、より良い条件での売却が期待できます。
法的手続きや必要書類を準備しておく
旗竿地の売却では、法的書類の事前準備も欠かせません。所有権証明書や登記簿謄本に加え、測量図と境界確認書を用意して土地の正確な範囲を明示しましょう。
固定資産税の納税証明書も必須です。特に旗竿地では通行権の明確化が重要なため、通路部分の権利関係を示す書類も整えておくべきです。
また、建築制限などの法的制約を役所で確認し、必要な情報を重要事項説明書に正確に記載することで、売却後のトラブルを防ぎ円滑な取引が実現します。
まとめ

旗竿地は、適切な対策を講じれば売却することが可能です。まずは買取・仲介・隣地への売却といった選択肢の中から、自分に合った方法を選びましょう。
信頼できる不動産会社に相談しながら進めることで、安心して納得のいく旗竿地の売却が可能になります。
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