民泊に資格はどこまで必要?始める前に知っておくべきポイントを現役オーナーが徹底解説

民泊を始めたいと思っても、
「資格は必要?」
「どこまで準備が必要?」
と迷う方は多いでしょう。
結論から言うと、民泊の運営にあたって特別な資格は原則として必要ありません。
ただし、事業の形態や管理方法によっては、一定の資格が求められるケースや、取得しておくと役立つ資格もあります。
本記事では、民泊運営に関係する資格の必要性や活用シーン、取得費用の目安、メリット・デメリットを詳しく解説します。
民泊を始める前に知っておきたい重要ポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

この記事の監修者:
吉岡良太
株式会社Break 代表取締役
不動産賃貸で法人化し2024年初から民泊経営を本格スタート。最初の2戸とも初月売100万超。
2025年3月時点で自社所有の民泊を6室、管理物件を6室運営しています。
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民泊を運営するのに資格は必要?

民泊を始めるにあたって、基本的には特別な資格は必要ありません。
ただし、運営方法や管理の形態によっては、一定の資格や届出が求められるケースもあります。
民泊新法(届出制)の場合、運営者本人に資格は求められません。
旅館業法(許可制)や特区民泊(認定制)においても資格は不要ですが、施設基準や申請内容が厳しく、申請時や施設整備の場面では専門家の関与が必要になることがあります。
また、家主不在型や届出住宅の居室数が5室以上の場合は、外部の住宅宿泊管理業者に管理業務を委託する必要があります。
民泊で資格が必要・役立つケースとは?

民泊運営では一部の業務で資格が求められる場面や、資格を持つことで手続きや信頼性が高まるケースもあります。
ここでは、資格が必要となるケースや、取得しておくと役立つ資格について解説します。
住宅宿泊管理業者として登録する場合
民泊の管理業務を外部から受託する「住宅宿泊管理業者」として登録する場合、登録要件として有資格者の設置が義務付けられています(住宅宿泊管理業法施行規則による)。
必要とされる資格は、「宅地建物取引士」「賃貸不動産経営管理士」「民泊適正管理主任者」などです。
この資格がなければ管理業者としての登録そのものができないため、「資格が必要なケース」に該当します。
簡易宿所(旅館業法)として運営する場合
旅館業法に基づく簡易宿所としての運営には、法的に特定の資格は求められていません。
ただし、施設の設計や用途変更などを行う際は建築士の関与が必要になるケースが多く、申請書類の作成にも行政書士などの知見が事実上求められます。
こうした場面では専門家の資格や知識が、スムーズな手続きのために役立ちます。
民泊事業者としての専門性と信頼性を高めたい場合
法律上の義務ではありませんが、運営者自身が資格を取得することで、集客力や信頼性が高まります。
たとえば、民泊適正管理主任者や民泊関連の認定講座などを活用することで、業務の効率化やトラブル対応力の強化につながります。
民泊に活かせる資格一覧と費用の目安

ここからは、民泊に活かせる資格と費用について紹介します。ここで紹介するのは以下の資格です。
民泊に活かせる資格と費用一覧
資格名 | 費用の目安 |
---|---|
宅地建物取引士(宅建) | 約7万円(受験・登録料)+講座費用別途 |
民泊適正管理主任者 | 約4~5万円 |
賃貸不動産経営管理士 | 約2万円+講座費用別途 |
管理業務主任者 | 約3万円+講座費用別途 |
一級建築士 | 10~15万円(独学)/100万円以上(専門学校通学) |
それぞれの資格の概要と費用について説明します。
宅地建物取引士(宅建)
宅地建物取引士(宅建)は、不動産取引の専門家として、住宅管理業の登録や不動産知識を活かす場面で役立ちます。
利用者からの信頼を高める資格でもあります。費用は、受験料や登録料などで約7万円です。講座を受講する場合は別途費用が必要です。
民泊適正管理主任者
民泊適正管理主任者は、民泊の法律や条例の知識と運営・管理のノウハウを持つことを証明する民間の資格です。費用は4~5万円程度かかります。
賃貸不動産経営管理士
賃貸不動産経営管理士は、賃貸物件の管理・運営に関する専門知識を持つ国家資格です。民泊の管理業務や問題対応にも役立ちます。費用は約2万円で、勉強のための講座受講料は別途が必要です。
管理業務主任者
管理業務主任者は、主に分譲マンションの管理組合運営や管理業務を監督する国家資格です。民泊運営では、特に「住宅宿泊管理業者」として登録する場合やマンション型民泊の管理に役立ちます。
民泊法に基づき、家主不在型民泊で自分で管理する際、この資格があれば住宅宿泊管理業者として登録できるという重要な要件の一つになっています。費用は約3万円で、講座を受ける場合は別途費用が必要です。
一級建築士
一級建築士は、建物の設計や工事の監督を行える国家資格です。民泊施設は、建築や防火に関する法律、宿泊施設の営業に関する法律など、多くの基準を守る必要があります。一級建築士はこれらのルールを正しく理解し、法律に合った施設の設計や改修を提案できます。
費用は、自分で勉強する場合でも10~15万円かかり、専門学校などに通う場合は、100万円以上かかる場合もあります。
資格を取るメリット・デメリット

民泊に関する資格を取得すると、以下のようなメリット・デメリットがあります。
- メリット:運営の信頼性向上・法律違反のリスク回避
- デメリット:資格を取るには費用も時間もかかる
詳しく見てみましょう。
メリット:運営の信頼性向上・法律違反のリスク回避
民泊に関する資格を取得するメリットは、宿泊者や近隣にお住まいの方、物件の持ち主など、さまざまな関係者からの信頼を得やすくなることです。
資格を持っていると、民泊に関する法律や管理のルールをきちんと理解していると見なされ、安心して任せられる事業者だと思ってもらえます。
また、知識があることで法律違反のリスクを避けられ、トラブルなく運営できる可能性が高まります。これにより民泊事業の安定した運営につながるでしょう。
デメリット:資格を取るには費用も時間もかかる
民泊に関する資格を取得するデメリットは、資格を得るために必要な費用と時間の負担が大きいことです。資格を取るには、講座の受講料や試験の受験料、資格登録のための費用など、さまざまなお金がかかります。
また、勉強や講習会への参加など、時間を割いて知識を身につける必要があります。仕事や他の活動と両立しながら準備するのは容易ではなく、資格によっては更新や継続教育も求められるため、継続的な負担になる可能性もあります。
資格取得より先に押さえておきたい民泊の重要ポイント

民泊を始める前に、資格以外にも知っておくべき大切なことがあります。次のポイントについてしっかり理解しておきましょう。
- 民泊運営に必要な法律と基本ルール
- 必要な届出・許可の種類と手続き内容の確認
- 場所選び・運営コスト・稼働率のチェック
内容を確認します。
民泊運営に必要な法律と基本ルール
民泊を運営するには、主に「住宅宿泊事業法」(民泊法)と「旅館業法」という法律を守る必要があります。
民泊法では、年間180日以内の営業に限り、自宅などを宿泊施設として貸し出せます。事前に市や県への届出が必要です。台所やお風呂などの生活設備が整っていることも条件です。
家主が不在の場合は、専門の管理会社に委託しなければなりません。180日を超える営業や、より本格的な宿泊施設を運営したい場合は、旅館業法の許可が必要です。
また、火災報知器の設置など安全対策や、ごみ出しルールなど地域の決まりも守らなければなりません。
>>民泊規制とは?民泊新法と旅館業法の違いや180日ルール、罰則を徹底解説します
必要な届出・許可の種類と手続き内容の確認
民泊を運営する場合、三つのパターンがあります。
- 旅館業法の場合
- 特区民泊の場合
- 住宅宿泊事業法(民泊法)の場合
「旅館業法」に基づく場合は、自治体の窓口で営業許可を申請します。建物の安全性や衛生面など、厳しい基準をクリアする必要があります。
「特区民泊」の場合、国が指定した特別な地域でのみ可能です。自治体の認定を受けることで営業できます。
「住宅宿泊事業法」(民泊法)による方法は、専用のウェブサイトや自治体窓口への届出だけで始められるため、手続きが比較的簡単です。
場所選び・運営コスト・稼働率のチェック
民泊を成功させるには、三つの重要なポイントを事前に確認する必要があります。
まず、場所選びが最も重要です。その物件が法律上、用途地域の規制上、民泊営業可能かを確認し、交通の便や周辺は安全、観光スポットや飲食店などの利便性を調べておきましょう。
次に、運営にかかる費用を正確に把握することが大切です。物件の購入・改装費用だけでなく、清掃や設備メンテナンスなどの継続的な費用も計算しておく必要があります。
さらに、実際にどれくらい予約が見込めるかを予測するため、近隣の民泊やホテルの予約状況や料金を調査し、適切な宿泊料金を設定することが収益を左右します。
>>現役オーナーが解説!民泊の初期・運営費用の目安と削減のコツも紹介
まとめ

民泊運営そのものには特別な資格は原則不要ですが、事業形態や業務内容によって資格が必要になる場面があります。
特に、管理業務の受託や施設改修などでは専門的な資格や知識が求められることもあり、資格を取得しておくことで運営のスムーズさや信頼性向上につながります。
ただし、資格取得には費用や時間もかかるため、まずは民泊に必要な法律やルール、運営にかかるコストや収益性などの基本をしっかり理解することが大切です。
事前に準備を整えたうえで、自分に必要な資格やスキルを計画的に取り入れていきましょう。
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